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 Japan Academic Society of Wind Music

日本管打・吹奏楽学会作曲賞第5回報告

【作曲賞】下田 和輝/オータム・ファンタジー

アカデミー賞

【作品解説】
秋。それは私にとってとても思い出深い季節です。小学生の頃、日照時間が短くなり少し寂しい気持ちになった9月の夕方…幼少の頃祖父と紅葉を見に地元の山に出かけた10月…中学生の頃家のベランダで寒さに震えつつもAutumn Leaves(枯葉)をはじめいくつものジャズを聴きながら黄昏れた11月初旬の夜…まだまだここには書ききれないほどの数々の秋の思い出がありますが、季節の移り変わりを感じる事が少ない東京に上京した今の自分にとっては、あの頃の思い出は「幻」のごとく心の奥底にあり続けています。秋のちょっぴり切ない魅力的な雰囲気と、願わくばもう一度あの頃に戻りたいという気持ちが、この 作品を作る原動力となりました。曲は全体を通してファ・ミ・ドの主要モティーフによって音楽が形成されています。特に明確なストーリーはありませんが、演奏する方々、聴いて下さる方々に「何か」を感じて頂ければ幸いです。

【プロフィール】
岩手県洋野町生まれ。子供のころからフュージョンやスムースジャズをはじめさまざまな音楽に触れ、小学校4年生から学校のクラブの金管バンドに所属。金管バンドではコルネットを担当。中学校では吹奏楽部に所属し、トランペットを、高校ではユーフォニアム_学指揮・副学指揮を担当。中学生のころ、吹奏楽の教育的作品で知られる作曲家「ジェームズ・スウェアリンジェン」の作品に出会い作曲に興味を持ち始める。2007年度の「第49回岩手県高等学校作詞作曲コンクール作曲自由部門」において最優秀賞を受賞。同じく2008年度の「第50回岩手県高等学校作詞作曲コンクール作曲自由部門」 において優秀賞、同じく2009年度の「第51回岩手県高等学校作詞作曲コンクール作曲自由部門」において最優秀賞を受賞。また、2012年度のJuCuStage主催「学生作曲家選手権2013」において、拙作「Voyage」が佳作を受賞。現在、「学校法人尚美学園尚美ミュージックカレッジ専門学校」音楽総合アカデミー学科作曲コース四年。作曲を橋伸哉、菊池幸夫の各氏に師事。

【佳作】日景 貴文/このみち−吹奏楽のための

管楽合奏コンテスト

【作品解説】
作品中のFis音、C音、F音の3音はそれぞれある特定のテーマを象徴しています。Fis音には抗 いようのない無常観や普遍性が、C音には困難や脅威、理不尽な恐怖が、F音には人々の温かい心 や希望がそれぞれ込められており、これらがライトモティーフ的な働きによって作品のメッセージ 性をより強調するのです。作品を構成する5つの場面には特別なストーリーがあるわけではありま せんが、「刻々と流るる時(序奏)」、「美しき過去への憧憬」、「混濁してゆく秩序(異化された序奏 のエコー)」、「人類の過ち」、「希望の歌、過去から彼方へと続く道」といった標題をそれぞれに付加 することは可能かもしれません。また全体を通して一つのフレーズがまったく同じ形で、あるいは同じ状況下で繰り返されること は一度としてありません。どの瞬間においても取り返しのつかないたった1回の連続としてこの作 品は在り続けるのです。テーマを持つ3音の関係性、エンディング(ハッピーエンドとは限らない でしょう)、そもそも「このみち」とは…?等といった問いに対する追究は、作品を昇華させるきっかけになるだけでなく作品に関わる全ての人にきっと何かがもたらされると私は信じています。

【プロフィール】
西武学園文理高等学校、尚美学園大学音楽表現学科作曲コースを卒業。平成22年度尚美学園大学 音楽コンクール作曲部門第1位受賞。第1回響和音楽出版作曲コンテスト最優秀賞(第1位)受賞。 第4回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第2位受賞。大学在学時には学内成績優秀者として「在学 特待生」に3年連続で選出(うち2度は主席)。ならびに「大学理事長賞Jを受賞。作品は国内のみならず海外でも演奏された。またアマチュアバンドの吹奏楽指導、指揮、楽譜の浄書等、活動は作編 曲に限らない。これまでに作曲を坂田晃一、川島素晴、愛澤伯友、久木山直に、打楽器を河合尚市 に、指揮法を新田孝に、吹奏楽指導法を岡崎明義、合田香の各氏に師事。作曲の会「Shining現会員。主な作品に「斜光の調べ−吹奏楽の為の」、「Juke-for clarinet octets」、「MonochrocycleIII」等。

山口 景子/行進曲「夏空」

【作品解説】
タイトルの通り、夏の清々しく爽やかな空を思い描いて書いたマーチです。しっかり行進のできる、8分の6拍子の典型的なマーチ形式で、それぞれの楽器の特性を生かしたオーケストレーションを心掛けました。全体的に爽やかな曲調の中に、ふと顔を見せる優しさ、切なさも楽しんで頂けたらと思います。演奏して下さる方、聴いて下さる方、全ての皆様が、楽しく元気に、そして、あたたかく晴々とした気持ちになって頂けたら幸せです。

【プロフィール】
1974年、富山県生まれ。4歳よりピアノ、13歳より和声学を学ぶ。小学4年より、ブラスバンドクラブでトロンボーンを始めたことを機に吹奏楽生活をスタート。15歳のとき、富山県青少年音楽コンクール作曲部門最優秀賞を受賞する。同じく15歳のとき、カワイ音楽コンクール富山県大会ピアノ部門Aコース第1位を受賞する。富山県立高岡商業高等学校在籍中に3年間、全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場。1993年、東京音楽大学音楽学部音楽学科、器楽(ユーフォニアム)専攻入学。大学在籍中、主科ユーフォニアムの他、副科でピアノと作曲を専攻。現在、作曲・編曲活動を展開中で、作曲では、第21回、及び第22回朝日作曲賞(吹奏楽部門)にて、最終選考進出。オリジナル吹奏楽作品が、CAFUAレコードから出版されている。編曲では、ドレミ楽譜出版社から管楽器アンサンブル、室内楽のジャンルを中心とした自身のアレンジ曲集が、延べ20冊以上発売されており、コンサートのプログラムにも多く取り上げられている。また、2013年11月より、ASKS Winds から多くの組み合わせに対応できる、コンバーチブルアンサンブル用編曲の発売も開始している。

内藤 友樹/静寂と躍動〜天竜川の船大工

【作品解説】
長野県に流れる天竜川では、川のせせらぎや、烏たちの囀り、木々の葉擦れに合わせ、船大工が織り出す「コン・コン・コン」という軽快なリズムが鳴り響く。この「静寂と躍動〜天竜川の船大工〜」は緩−急−緩の3部形式です。冒頭はRainstickBirdWhistleを使い自然の音を模倣しています。中盤はテンポが上がりClavesやTemple block、管楽器の絡み合うリズムにより船大工の釘打を表現しています。静に始まった曲調が木管などの速いスケールに後押しされ一気に緊張感が高まります。やがて激流の中へ船は進み、金管の旋律へと流れ込みます。終盤では冒頭の旋律に戻り、何度も繰り返された旋律が、転調しトゥッィで奏でられます。また、リハーサルマークSからは金管とBass Drumのコラールでもいいですし、木管・打楽器奏者でコーラスを加えてもさらに努囲気が出ます。(コーラスはピアノ段上に記載してあります)
「静寂と躍動」「緩と急」の対比によって進む天竜川の自然と、船大工の職人が織り出す物語を感じていただければ幸いです。

【プロフィール】
岐阜県大垣市出身。神奈川県在住。昭和音楽大学作曲学科卒業。2012年岐阜県で開催された第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」の式典ファンファーレ作曲。第18回日本管楽合奏コンテス卜において、柏市立柏高等学校吹奏楽部委嘱作品「吹奏楽のため の戯曲〜漆黒の精彩〜」が文部科学大臣賞を受賞。第19回日本管楽合奏コンテストにおいても、同校委嘱「吹奏楽のための戯曲〜朱雀の鼓動〜」が2年連続で最優秀グランプリ賞、文部科学大臣賞を受賞。航空自衛隊中部航空音楽隊、白子ウインドシンフォニ力、高知フライデー・ウインド・アンサ ンブル、船橋市立船橋高等学校吹奏楽部、東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部、安城学園高 等学校吹奏楽部など、全国の吹奏楽、マーチング、オーケス卜ラ団体に作品を提供し演奏され ている。また、二期会委嘱で東京フィルハーモニー 交響楽団により演奏された「Be My Love」 のアレンジを担当。2000名を超える奏者が参加する、船橋市主催「千人の音楽祭Jの楽曲アレ ンジを5年続けて担当。第26回全日本マーチングコンテスト全国大会において、船橋市立法田 中学校吹奏楽部が金賞を受賞するなどアレンジャーとしての活動も行う。その他にも、中電不動産「屋上緑化CMソング」の作曲。日本コロムビアより発売された「ともだちソング〜そらにくも・きみにぼく〜」に収録「心の瞳」のオーケストラアレンジ。コンクールの審査員、楽譜出版等多岐に渡り活動中。


過去実績

第8回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告     第7回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告
第6回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告     第5回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告
第4回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告     第3回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告
第2回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告     第1回日本管打・吹奏楽学会作曲賞 報告


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